日本における音楽鑑賞教育の変遷とその意義を考える
〜西島 千尋先生をお迎えして〜
日時:2016年5月14日(土)14時半〜
場所:坪能研究室(日本女子大 新泉山館5階503室)
(アクセスについては日本女子大のホームページを御覧ください)
私が音楽鑑賞教育に関心をもったのはごく単純な理由でした――「どうして音楽の時間に、つまらない曲をじーっとガマンして聞かなければいけないの?私が音楽の先生になったら、子どもたちにこんな退屈な思いをさせる時間はつくらない!」。
ところが、大学に入学してすぐに、(現在はありませんが)日本の学習指導要領には「鑑賞共通教材」というものがあり、教師個人の意思とは関係なく、日本で義務教育を受ける場合には必ず聞かなければならない曲が指定されているということを知りました。「私も退屈な時間を子どもたちに強いることになるのだろうか?」。この気持ちが、なぜ日本には鑑賞共通教材というものがあるのか?鑑賞共通教材はどのような理由で選ばれているのだろうか?という疑問につながり、研究テーマとなっていきました。
現在、鑑賞共通教材は指定されていません。しかし、教科書には鑑賞共通教材が多く残っています。また同時に、教育基本法改正の影響もあり、鑑賞教材は世界各国の文化や伝統に拡げられています。今回のオープンゼミでは、鑑賞教育の時代的な変遷を踏まえ、皆さんと鑑賞教育の意義を考えてみたいと思います。
西島千尋先生プロフィール
2009年金沢大学大学院人間社会環境研究科博士後期課程修了。博士号(学術)取得,学位論文で人間社会環境研究科長賞受賞。論文に「学校教育において『異文化の音楽』はいかに教えられるべきか」音楽教育学38(2),2008,「石川県の土地法の県下太鼓打競技会—非ジャパネスク,非エキゾチシズムな地域文化」人間社会学研究20(共著)他。
主催:新しい音楽教育を考える会(ICMAC, 代表:坪能由紀子),
連絡先: tsubonou@fc.jwu.ac.jp